第一話

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 7番の青島さんは緩いカーブを引っかけてしまうが、私のスタートは速かった。  高いバウンドのサードゴロでワンアウト二塁になる。  8番今池君が、「来い!」と気合いの入った声を上げた。  1球目のストレートをファールにして、2球目の落ちるボールに空振り。  3球目、続けて緩い落ちるボールが来た。  今池君のバットが下から出てきた。  擦った当たりがライト前にふらふらと上がった。  私は落ちると判断してハーフウェイから三塁を目指す。  ライトが前進前進。  グラブを出すもポテンヒットになった。  100メートル走みたいに足を動かし、三塁を周りホームへ。  ライトは何とか捕球し、ホームへダイレクト送球。  滑り込まずホームを踏み締めた。 ーー3点目が入った。
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