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「待ってたわ」
私をパンツスーツ姿の女性が出迎えてくれた。
代表の黒野さん。
セミロングの黒髪はウェーブして、一見年齢不詳の綺麗な人だ。
黒野さんは生徒を集め、「ささ、皆に挨拶できるかしら?」と言った。
生徒達の視線が集中する。じっとりと手のひらに汗をかく。怖い……。
「ゆっくりでいいわ」
黒野さんの言葉には不思議な安らぎがある。
背中に手を添われて、少し落ち着いてきた。
「……蕨美姫と申します。中三です。よろしくお願いします」
お辞儀をすると、ぱらぱらと拍手が起こった。
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