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サードには宇田川君という中三の男子が守っている。
全ての打席でヒットを打っていた。
この試合、8対9の乱打戦で負けてしまった。
両チーム、エラーやフォアボールが絡んでのことだった。
ーー青空に戻ってきて打ち上げをしていた。
私はチラチラと4番を打っていた宇田川君を見ていた。
清潔感のあるショートカットに切れ長の瞳。
一見してスポーツをやっているといった雰囲気。
普段あまり登校してこない生徒だった。
「気になるのぉ?」
怪しい笑顔でナギサが問う。
私は虚を突かれた。
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