第二話

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 四月最後の土曜日。  ナギサが住む街の駅で待ち合わせをしていた。  時間は10時半。  暖かい陽気で、私は淡い青のシャツにロングスカートという出で立ち。マスクはもちろんしている。  5分遅れでナギサがやって来た。  ナギサはTシャツにジーンズという軽装。 「ごめんごめん、寝坊しちゃったぁ」 「大丈夫。ちょっと駅ビル見ていこうよ」 「分かった。行こう行こう」  まず本屋に行くことにした。  ナギサが野球の本を見たいと言った。 「ナックルの投げ方色々知りたくてさ」とナギサは教則本を探している。 「プロ野球選手が教えている本がいんじゃない」 「ピッチャーの人のもあるよ!」  ナギサはしげしげと立ち読みを始めた。  待っている時間も心地良かった。
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