第二話

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 食後に紅茶を頂いていた。  ティーパックの紅茶だけど、オルガさんが淹れると美味しく感じる。  ナギサは私の野球の上手さを熱弁していた。  オルガさんは相槌を打ちながら静かに聞いている。  大人の色気のあるお母さんだ。  帰り際、オルガさんが丁寧にお辞儀をした。 「今日はありがとうね」 「いえいえ、とても楽しかったです。ご飯ごちそうさまでした」  私も慌てて頭を下げた。 「ミキちゃん、また家で遊ぼう」  にこにこと笑ってナギサが口にした。  夕暮れの中、ナギサの家を離れた。  家に帰ってきても、余韻が冷めないのかナギサからラインが来ていた。  こんな他愛のないやり取りが一番私が求めていた事かもしれない。
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