第二話

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 4番宇田川君が打席に入り、大きく構えている。  ハイロウズベンチから今日一番の声援が飛ぶ。 (何だが打ちそう……)  期待感を抱いてしまう。  1-1となり、まだスイングしていない。  3球目、力強いフォームからストレートが来た。  高目の甘いボールに反応。  バットの快音が鳴り響いた。  フルスイングで捉えたボールは落ちてくることなく、ライトスタンドに吸い込まれていった。  足早に塁を周る宇田川君は、打って当然といった感じの表情だった。  二人ホームに帰ってくる。  ハイロウズ2点先制。  一振りで得点してしまう。すごいバッティングだった。  5番野原さんはセンターフライ。  6番大塚君はサードゴロで、この回が終わる。
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