第二話

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 5回表、ハイロウズの攻撃。  7番青島さんから。ここに代打を送る。  マリが右打席に入った。  足が震えている。 「頑張ってー」と私は思わず声をかけると、マリが振り返り小さく頷いた。  マシンガンズは先発ピッチャーがマウンドを守っている。  1球目の速いストレートに、マリが見せたのは、セーフティバント。  球威に負けず、三塁線に転がす。  一目散に一塁へ走り出す。  運動は苦手と言っていたけど、足が速い。  サードが捕球ミスをしている間に一塁を駆け抜けていた。 「さっすがマリちゃん!」  ナギサが自慢気に声を上げる。  ハイロウズベンチが活気づいてきた。
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