5.父の押せ押せな攻勢?

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「え、えーっと……、それは……」 もはや逃げ場もなく目が泳ぐ、私──。 「うん? ブライダル……?」 一方の彼は、それ(・・)が何なのか気づいたようだった。 「ああいえ、その……」 これじゃあ、絶対に()かしてるみたいじゃない……。もう〜お父さんのせいでー……。 頭のてっぺんから湯気でも出そうになり、赤くのぼせ上がった顔をうつむかせていると、 「ブライダルフェアか、行ってみようか」 私の気がかりなど微塵も気にはしていない風で、彼がそう口を開いた。 「えっ、今行ってみようかって……?」 あ然として聞き返した私に、 「ああ、そう言ったが」 と、彼がこともなげに頷いた。
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