最悪の一日

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 来年になって勇太が大学生になる日を夢見て頑張ろう。ええ、私の長所はガッツがありくじけないところ。子供の頃だって、貧乏だとさんざん馬鹿にしてきた近所の男子は片っ端から片付けてやった。あいつはやばい奴だと噂になったもんだ。  私は地にしっかり足をつけたまま自宅に帰った。別れたことは勇太には黙っておこう、多分心配させる。あの子は私よりずっと頭がいいんだ、今勉強を頑張ってもらわなきゃ。今日の夕飯は何にしようかな、勇太の好きなやきそばでいいかな。  春の匂いを肺いっぱいに吸い込んだ。虚しさもあったけど、気づかないフリをした。さー焼きそば焼くぞ。  そんなことを思いながら歩いていると、鞄に入れておいた携帯電話が鳴り響いた。一度立ち止まり取り出してみる。勇太だった。 「もしもし? どうした?」  なるべく明るい声で出る。だが、相手は想像以上に深刻そうな声をしていた。 『……姉ちゃん』 「なに? どしたよ」 『やばいのが、来た』
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