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「圭吾と出かけたってことは知ってた」
「え!? 言ってなかったはずだけど」
「見れば分かる、アイコンタクトがバレバレだ」
バレていたとは。この男洞察力がある。
「でも、まさか自分への贈り物のためだとは思ってなかった」
「ええ? そうでもなきゃ私と圭吾さんがなんの用があって二人で出かけるっていうのよ」
「そりゃ……お前はいつも圭吾を褒めてるし、形だけの結婚だし……」
そこまで言って、玲は口ごもる。何を言いたいのかイマイチ分からず、私は首を傾げた。
「色々聞いてさ、本当は高級レストランがいいかなーとか考えたんだけど、圭吾さんが家の方がいいって言うから」
「そっか」
「祝えてよかったよ。玲にはお世話になってるしね。三千万で私にいい仕事を与えてくれた。あれが無かったら、私は今頃ズタボロ人生だったよ」
初めは戸惑ったけど、それに決して楽な仕事ではないけど、私は十分感謝している。
「……舞香」
「今更だけどさ、パーティーで私を力いっぱい励ましてくれたのも、すごく嬉しかったんだよね。玲って性格悪いじゃん、育ってきた環境も違うし」
「サラリと性格悪いとかいうな」
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