新たな問題

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「あいつの最後の発言のせいで、さぶいぼ立った」 「楓さんの扱い」 「見ろこれ、まじでホラー映画より怖い」 「だから楓さんの扱い」  スーツを捲って腕を見せつけてくる玲に少しだけ笑うと、私は置いてあった招待状を手に取り、再びため息を漏らした。 「なるほどねえー玲も来られない場所、ってなると、キツイもんがあるなあ。伊集院さんって?」 「うちとは切っても切れない仲だ。一番重要な仕事相手と言ってもいいかもしれない。うちより金持ちかもしれないぞ」 「どっひぇー」 「そこの奥さんはこういうお茶会みたいなのを開くのが好き、っていうのは聞いたことがあった。でも男は入れないから、噂でしか知らない。何度か会ったことはあるが、個人的な話なんかしたことないし」 「ううん、情報が少ない……」 「とりあえず、厳しい人っていうのだけは知ってる」  作法については、畑山さんにしごき倒されたので、それなりに身についていると自負しているが、それでもたった二か月で習得しただけのもの。どこかでボロが出るかもしれない。いや、あの二人はボロを出させようとするかもしれない。  私は天井を仰ぐ。
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