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「んでもって手土産もいるのかー。金持ちの奥さんが好きそうな甘味、ってなによ。和菓子か洋菓子かも好みあるだろうし、フルーツにしても種類は膨大だし。センス問われるのは間違いないじゃん」
積んだぞ。これは流石に私も気分が落ちてしまっている。玲もあまりよく知らない相手となれば、対処のしようがない。私は嘆く。
「いっそ当日熱でも出そうかなあ。いやでも、それはそれで誕生日会すっぽかしたことになってよくないよなあ」
「日付を見ると、まだ一か月以上あるのか……」
「でも、二階堂にとってもかなり重要な相手っていうなら、その奥さんに認められれば、一気に私の立場もよくなるよね? 逆に嫌われたらやばいけどさ……凶と出るか吉とでるか。リスクは大きいけどなあ」
玲も珍しく困ったように顔を歪めている。
「ただの女同士の会なら、舞香一人でもう十分いいと思ってる。しかしそこに母親と楓がいるというのが不安要素としてでかすぎる」
「だよねえーんでもって情報も少ないしー」
そう口に出した途端、ふと思い出したことがあった。色んな会社の奥さんとか集めた女子会……。もしかしたら。
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