新たな問題

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「ご無沙汰しております! その節は本当に、ありがとうございました」  深々と頭を下げてくれるので、慌てて止める。 「こちらこそ、素敵な贈り物ありがとうございました! 娘さんはその後どうですか」 「おかげさまで、元気すぎて困るくらい元気です」 「それはよかったです!」  顔を見合わせて笑い、私たちは椅子に座り込んだ。  彼女は吉岡倫子さん。あの創立記念パーティーで、私が救命処置を施した娘さんのお母さんだ。あの後、丁寧なお礼の手紙と、素敵なストールを贈ってくれた人。手紙には電話番号も書かれていたので、思い切ってお茶しませんか、と誘ってみたのだ。  相手は二つ返事でオッケーしてくれた。そして今日、約束通りホテルのカフェで落ち合ったのである。  前会ったのは着飾ったパーティー会場だったし、バタバタしていたのであまり顔を見ていなかったせいか、今日会うのは緊張していたのだが、会った途端安心した。非常に優しそうな人だったからだ。
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