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「看護師さんなんですってね。玲さん、すごく見る目があると思いました。お二人のご結婚、心よりお祝い申し上げます」
「ありがとうございます」
二人で穏やかな談笑を始める。ドリンクとケーキも運ばれてきて、それを味わった。美味しいといえば美味しいけど、この紅茶が二千円もするのは解せない。
倫子さんはとても話し上手で聞き上手だった。物腰も柔らかく、私に誠意を持って接してくれていることがよく分かった。信頼できそうな人だ、と自分の直感が言う。しばらく会話を交わした後、私は本題を切り出した。
「倫子さん、正直におっしゃってほしいのですが、私と玲の結婚はどのように見えていますか」
ズバッと尋ねると、彼女はうーんと考え込む。
「ええっと、玲さんは金城家の方と婚約をされている、と聞いていました。ただ、玲さんはそれに対して乗り気ではない、というのも聞いたことがあります。なので、きっと舞香さんと本当の恋愛をなさって、それを貫き通したと感じています」
「なるほどー」
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