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呆れて声を上げる。まるで心配性なお母さんだ。玲ってこんなやつだったっけ? 彼は咳払いをして、腕を組み窓の外を見た。
「別にお前を信頼してないわけじゃないからな」
「それも何度も聞いた」
「とにかく堂々としてればいい。失敗しても失敗したって顔しなければなんとかなる」
「ちょっと私の耳見て、タコ出来てない?」
そうふざけて言ってみると、玲はあからさまに目を座らせた。私は一人でケラケラと笑ってしまう。そんな私を見て、玲は深くため息を吐いた。
「ほんと、圭吾が言う通りお前は大物だよ。俺が思ってた以上だ」
「だって、玲は絶対私の味方をしてくれるって分かってるからね。だから、私は胸を張っていられるんだよ」
正直にそう言うと、玲がこちらを見たのが分かった。
ほんと、これなんだ。玲はなんだかんだ、絶対に私を信じてるし味方してくれる。その安心感が、自分をここまで強くしたのだと思う。
ふいっと玲が顔を背け、窓の外を見る。
「まあ……分かってるならいい」
「はい照れてるー玲が照れてまーす」
「お前急に小学生出すのやめろ」
「玲は四六時中小学生みたいなものじゃん」
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