最悪の一日

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 私はとにかく、勇太のために働いた。勇太は非常に頭がよかったので、大学へも通わせたかったのだ。  彼自身も家事をこなしバイトをし、私を支えてくれた。姉弟、二人三脚で必死になって頑張り続けた。  看護師の仕事は辛かったけどそれなりに給与がよかった。細々と貧乏生活をしていけば、きっと勇太を大学へ通わせてあげられる、と貯金を頑張っていた。自分が社会人になったことで、子供の頃よりはずっと楽しく安定した生活を送っていたのである。社会人四年目、私たちは穏やかに暮らしていた。  そんな平穏な日は、ある日突然崩れ落ちた。
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