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わたしは自分の頬が熱くなったのを感じた。気恥ずかしさがあとから湧き上がってきたが、この胸の高鳴りが勝った。弘人も目線を反らしてぼそぼそと言った。
「おれ、料理はしてきたからさ、由貴より出来るかもよ」
わたしは図星であるので笑った。
「カレーが冷める前に食べようよ」
弘人は話題を変えたかったのかそう言うと、リビングへと先に行った。
わたしは鞄を置き、パンプスを脱いで洗面所へ向かい手を洗い、うがいをしてから鏡に視線を送った。グレーのスーツを着る黒髪をまとめたわたしは三年前から変わらない。でも、鏡の側にある歯ブラシは二本になった。
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