この三日間、本当に――

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「…………え?」  唐突過ぎる私の発言に、まるで雷に打たれたかのように表情が固まる夜野(やの)さん。……まあ、そうなるよね。もちろん、あくまで可能性の話であって絶対ではないし、私自身そうでないと信じたい。でも―― 「――どうすれば良いかなぁ夜野さん! 私、こんなことになるなんて……なるなんて……」  気が付くと、彼のシャツを荒く掴みながらみっともなく縋り付く私がいた。身体はひどく震えている。つい先程までどうにか装えていた平静な態度も、あっという間に霧散して―― 「……どうか、落ち着いて下さい藤川(ふじかわ)さん。大変お話ししづらい件であることは承知しているつもりですが……それでも、お話しできる範囲で構わないのでお聞かせ頂けませんか?」  そう、私の肩にそっと手を添え優しく尋ねてくれる夜野さん。不思議なことに、ついさっきまでの震えがすっかり止まっていた。……馬鹿だなあ、この人も。頼った私が言うのもなんだけど、ただの私の自業自得……彼には何の関係もないんだから、適当に慰めの言葉でも掛けて放っておけば良いのに。
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