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※本編です
彼に会ってから、私はよく笑うようになった。
そして人前で泣かなくなった。
……いや、泣けなくなったんだ。
またウザがられるんじゃないかって、怖くなったんだ。
笑うようになってから、だんだん周りの人たちも私に話しかけてくるようなった。
それが嬉しかった。
あの男の子には頭が上がらない。
あの子のおかげで私は幸せに戻れたんだ。
いや、幸せに戻れてはいないか。
家を出るときも家に帰っても誰も返事をしてくれない。
それは、何よりも辛いことで、周りのみんなが羨ましくて、どうしようもなく寂しかった。
家族という存在があったから、今まで私はあんなに幸せでいれたんだ。
家族がいなくなった私はもう生きる理由がない。
だって、全然楽しくないんだもの。
何をしてても何も感じない。
楽しくないし、悲しくもない。
楽しいフリをしてても疲れるだけで、何にもならない。
__いっそのこと死んでみんなのところに行く?
私は全然それでもいい。
楽しくない人生なんて歩む価値がない。
もう、昔には戻れないんだ…。
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