運命の日

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ふわふわと虹色の空間を彷徨う沙織は (ああ、ここが天国なんだ。きれいだなー) なんてのんびり考えていたところ、どこからか鈴がころがるような美しい声が聞こえてきた。 「目覚めましたね、貴方は先程事故で死にました。貴方は生前良き行いを重ねてきたため、今後の選択権が与えられております。まず一つ目、このまま死んで無に帰る。二つ目、転生して新しい生を生き直す。どちらが良いですか?」 彼女の神々しさと発言内容から推察するに、この人は女神で自分は今後の身の振り方をここできめなければならないらしい。 「RPGじゃん。ためしにほおをつねって・・・いたい・・・から夢ではないんだ」 沙織はまだ自分の死を受け入れられていないのに、死んだからどうするかと問われて途方に暮れた。 「あのう、私本当にしんだんのですか?」 「ええ、結構酷い死に方でしたよ。みます?」 女神は本気で沙織の死に様を見せようとしたため、慌てて、 「いえ、結構です!!」 そう言って止めた。 記憶が確かなら私はトラックに撥ねられたはず。 その死に様が酷いことは想像に難くない。 「それで、どっちか決まったかしら?」 女神に急かされて沙織は、 「まだ死にたくない。もっと生きたい。女神様、転生コースでお願いします!」 そう叫んでいた。
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