転生?

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転生?

目が覚めると沙織の周りには涙する人々が取り囲んでいる。沙織は不審に思いながら上体を起こそうとして驚いた。体が全く動かなかったからだ。かろうじて動かせた腕で一番近くで泣いていた優しい顔の茶色の優しい瞳と髪色で恰幅のいい女性の服の裾を掴んだ。 「あの・・・身体が動かないんですけど、どうなっているのでしょうか?」 すると女性は驚愕した様子で沙織をみる。周りの人々もそうだ。ただ、恐れではなく歓喜の声が漏れる。 「ララ!まさか生き返るなんて!ああ神様・・・こんな事があるなんで、感謝いたします」 そういうと女性はララと呼ばれた沙織を抱きしめた。 「きっとリラさんの思いが神様につうじたんだよ!こんなに嬉しいことはない」 隣に立っていた黒髪と黒い瞳の体格の良い男性がララと呼ばれた女性の背中をさする。 そして沙織に向き直るとことの経緯を説明しはじめた。 「ララ、まだ目覚めたばかりで混乱しているんだ。お前は溺れる子供を助けて意識が1ヶ月も戻らなかったんだ。医者からは眠っているだけと言われていたけど、さっき急変して一度死んだんだ。だけど蘇った。こんな奇跡を起こせるのは神様だけだ!」 男性はそういうと、涙ぐんで沙織の頭を優しくなでた。 「あの、貴方のお名前は?」 男性に尋ねるとシオンと答えて押し黙った。 「やっぱりおぼえていないんだな。いつから記憶がない?」 シオンが沙織に聞くと、即座に答える 「目覚める前のことは全部わからないの」 まさか女神の力を使って転生したなんて言えないから、沙織は前世の記憶があることはかくして真実だけを告げた。 途端、シオンは悲しげな切なげな表情になったが、すぐに笑顔になって言う。 「とにかくララが無事でよかった!しばらく身体が思うように動かないと思うが、困った事があったらすぐ俺を呼べ」 (このムキムキイケメンすごく優しい・・・どんな関係だったんだろう) 気になったが、周りには他の人々もいたため、聞くのを我慢した。
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