迷い込んだ少年

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迷い込んだ少年

...意味がわからない。 どうして...こうなったんだっけ? 落ち着かなきゃ...落ち着いて思い出さなきゃ... そうだ、僕はあの時... ユナと途中まで居て...その後別れて... 「おーい、セイー」 「あ...ユナ」 「どうしたのボーッとして」 「いや...いつもだし」 「にしても、あんたっていつも猫耳ヘッドホンつけてんね」 「なんか...悪い?」 「いーや、別にー」 「はぁ...」 「あ、私こっちだから、またね!」 「あぁ、またね...」 そうだ、この後だ、この後から僕は... 「ふぅ...あれ、ここどこ...?」 家までのルートを歩いてたはず...だよね...? 「え...目の前に見える...アレって...」 噂にある、館に...似てる...? 「ま...さか、あれは...ただの...噂のはず...」 そこから...視界が歪んだ... 「うっ...」 (なん、か...急に...) ドサッ... 思い出した...それで... 「ということは...本当に、あの館...なの?」 「なんじゃ、騒がしい...もう少し静かに出来ぬのか?」 「っ...誰っ...!!」 「おぉ?ここに人間がいるとは珍しいこともあるもんじゃ」 「どこに...」 「足元を見てみぃ」 「足元...っ、うさぎ??」 「うさぎの兵長と呼べい」 「...兵長って言うか...なんで、うさぎが...喋って...」 「知らんなぁ...」 「というか...名前、ないの...?」 「ないな...生まれてからずっとじゃな...」 「な...なら...アルは...どうかな?」 「おぉ、アル...とな?いい名じゃのぉ」 「よかった...ところで、ここは...どこ...?」 「ここか?ここは神隠館じゃ、失踪者多数のな」 「...あぁ、ほんとに僕は、ここに...閉じ込められたのか...」 「ただし、出る方法はあるぞ」
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