僕だけの灯台

1/4
前へ
/15ページ
次へ

僕だけの灯台

 立入禁止の札なんて、もはや飾りだ。朽ちたロープを潜れば、そこから先は僕だけの空間になる。  埃っぽさと錆の臭いに、混ざる磯の香りが心地いい。昼間なのに、幽霊でも出そうな古び具合もいい。  長い螺旋階段を上った先、置かれた長椅子が僕の特等席だ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加