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◆ ◆ ◆
また会えたね。これで何度目だろう。
え、初めまして？ ああ、そっか。
君って故郷に恋人を残してきたんだろう？ この戦いが終わったら結婚しようってフラグを立てて。ごめんね、今回は再会できないみたいだよ。
なんで知っているのかって？ さあ、なんでだろう。
なんで剣を振るうのかって？ さあ、なんでだろう。
◆ ◆ ◆
また会えたね。これで何度目だろう。
え、初めまして？ ああ、そっか。
君の心臓って鍵になってるんだろう？ 神殿の扉を開く鍵。水属性攻撃がちょっと上がるだけの、たいして役に立たない剣が置いてある部屋の鍵。
なんで知っているのかって？ さあ、なんでだろう。
なんで剣を振るうのかって？ さあ、なんでだろう。
◆ ◆ ◆
また会えたね。これで何度目だろう。
え、初めまして？ ああ、そっか。
君って人間に故郷を焼き払われたんだろう？ 優しい両親も見せしめのように晒し首にされた。そんなんじゃあ、人間を恨むのも無理ないよね。
なんで知っているのかって？ さあ、なんでだろう。
なんで剣を振るうのかって？ さあ、なんでだろう。
◆ ◆ ◆
また会えたね。これで何度目だろう。
え、初めまして？ ああ、そっか。
僕って魔人の子孫なんだって。額の宝玉を壊すと力が解放されるらしいよ。彼の故郷も、彼女の神殿も、魔王の城も、全部全部なくなっちゃうらしいよ。
なんで知っているのかって？ さあ、なんでだろう。
なんで泣いているのかって？ さあ、なんでだろう。
なんで僕だけが覚えているんだろう。
なんで他の人は忘れてしまうんだろう。
彼の笑顔も、彼女の涙も、悲痛な叫びも、やり遂げた歓声も…… 全部全部覚えている。
この世界を救ったってしかたがない、
結局初めに戻されるんだから。
この世界を救ったってしかたがない、
次は僕が壊すんだから。
苦楽を共にした仲間を
別の人生では殺めなければならない。
なんでなんでなんで？ さあ、なんでだろう。
僕が生きる意味ってなんだろう。
僕が殺す意味ってなんだろう。
見えない紐の先を辿れば、
その先の誰かが教えてくれるんだろうか。
ねえ、なんで？
なんで僕らの時間を巻き戻すの。
もう誰とも、会いたくないや。
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