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第四章 悪
どうしてツムギと会えなくなっちゃったのかな…。
僕は、一生懸命考えた。
ツムギが言っていたこと、話してくれたことを
たくさん思い出して、僕はいっぱい考えた。
『ペロー?今日は友達の家行ってくるから、
先にごはんあげるね!はい、どうぞ!』
これは学校から帰ってきたツムギが言っていた
『ペロは可愛いなあ…。私も犬に生まれたかった〜。』
これは、休みの日。部活が大変で、休日も行かないといけないと嘆いていた。
『可哀想…。きっと避けられなかったんだね。』
散歩中、車に轢かれたスズメを見ながら言っていた。
『死んだら会えないなんて寂しいよね。会いたいな…』
おじいちゃんのお葬式の後、家に帰ってきたツムギが、
泣きながら口にしていた言葉だ。
『ペロと私は大人になるまでずっと一緒だよ!』
僕の健康診断の結果が良くて、機嫌がいいツムギ。
『ペロ…大丈夫…死んだらまた会えるからね…!』
これが僕達が、最期に交わした言葉。
真っ赤な血液がアスファルトを流れる。
『ペロ?大丈夫?』
大丈夫だよ。ツムギ。
『体、痛くない?』
ツムギの方が痛いよね。ごめんね。
『ごめんね、ペロ。』
ごめんなさい、ツムギ。
全部僕が悪いよね。
そっか。僕が悪いことしたから会えないんだ。
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