みんなで着ぐるみパジャマ⁉︎

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みんなで着ぐるみパジャマ⁉︎

「だから、シシリがここを出ると言ったとき、誰も止めれなかった。彼女にはたくさん助けられたから……みんなで話し合って笑顔で送り出したわ」 「そんなすごい魔女さんの後継者が……私なんかで、いいのかな?」   「フフ、いいに決まっているじゃない。シシリが作り上げた、あの本に選ばれた魔女さんだもの……来てくれて嬉しい」  ボアさんに抱きつかれた。  誰がに必要とされているなんて、頑張れちゃうよ!  ❀  話の後、ボアさんもお昼寝しますと、この家の客間に入って行った。変な遠慮せず使用してくれて、嬉しい。    さてさて、時刻は夕暮れ時。  夕飯をどうすると悩む。  魔女さんのキッチンには塩、コショウといった調味料がそろっている。アイテムボックスに入れて持ってきた、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、ソーセージを使って、塩ポトフを作って。    これまた持ってきたパンを、フライパンでこんがり焼こう。お鍋がないかなと探すと、収納棚の中に、ポトフ作りに良さそうな深鍋を見つけた。 「よし、はじめるぞ!」  野菜の皮剥きをして、塩コショウを振り深鍋で約1時間くらい煮込む。ジャガイモの皮とにんじんの皮はよく洗って、乾燥させ。油でカリカリに揚げて、塩をふればオヤツになる。  食後のデザートに卵、牛乳、お砂糖で作る、蒸しプリン。ポトフを煮込み、フライパンに水をはってプリンを蒸した。 「いい匂い、マージアさんもシシリに負けず、料理上手」 「料理が上手いか、どうかは分かりませんが。好きです」  ポトフ、パンも焼き上がって、プリンも蒸しあがった。キッチンに集まり「いただきます」と、夕飯が始まった。 「ポトフ、美味しい」 「美味しいです」 「うま、うま」 「ほんと美味しいわ。プリンも美味しい」  キキ、スイ、メラ、ボアさんとテーブルを囲み……気付けば、ポトフが空っぽだった。  ❀  可愛い猫足バスタブのお風呂を、数人入れるくらいに広くなるよう想像した。どうかなっと、お風呂場に覗きに行くと……広くなった猫足バスタブ。 「おお、これならみんなで入れる!」  一緒に覗きにきたボアさん、キキ達は大喜び。  みんなで、一緒にお風呂に入る。まだ、石鹸などは用意していないから、近くの村か街で買えばいいか。  お風呂上がり、アイテムボックスからパジャマを取り出すと、キキが寄ってきて「面白いもの見せてあげる」と、私を寝室へと連れて行く。 「面白いものってなに?」 「マージアちゃん、この衣装の本を手に取って」  髪型のように、私の好きなパジャマが着れると言った……え、私のパジャマ……そんなにダサかった? と、みんなを見ると。キキ達とボアさんはお揃いのフワフワで、オシャレなナイトパジャマを着ていた。 (……お揃い、うらやましい) 「さあ、願って」  衣装の本に載っているパジャマ……大人が着るパジャマしかない。ここから選ぶって……嫌だな。そうだ、私が前世で気に入っていた。ライオンの着ぐるみパジャマにしよっと。  後ろの真っ白なページに、ライオンの着ぐるみパジャマが載る。そのページをみんな覗き込んだ。 「これがパジャマ?」 「面白いです」 「うん、うん」 「そのページに触れて、着てみてください」   「触れるの?」  ボアさんの言うとおりに、ライオンの着ぐるみパジャマが載ったページに触れた。本がピカッと光り、目の前に等身大に光る、着ぐるみパジャマが載る私の身長くらいのカードが現れた。 「マージアちゃん、そのカードをくぐって!」 「う、うん」  ボアさんに言われた通りにカードをくぐると、着ていたワンピース姿から一瞬で、ライオンの着ぐるみパジャマに変る。着ていたワンピースはフワフワ浮いて、クローゼットが勝手に開き、勝手にしまわれた。  ……凄いんだけど、少し怖い?  クローゼットを見ていた私に、キキ、スイ、メラが飛び付き、着ぐるみパジャマを着たいと言った。それにボアさんも反応する。 「ズルい、私も着たい」 「では、みんなでお揃いにしましょう!」  お揃いのパジャマを着込んで、この日は夜遅くまで喋り、みんな一緒のベッドで眠る。
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