モフモフ

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モフモフ

 昨夜、出会ったモフモフの黒猫さんは。燕尾服、黒髪の短髪、人なっこそうな男性になっていた。その隣、同じ燕尾服、茶色髪の可愛い男性はトッポ君かな? 「マージア様、僕とトッポは呼び捨てでよろしくお願いします」 「では、スズ君、トッポ君と呼びます」  コクコク頷く2人の後ろ、紺のジュストコールを着た男性は……な、なんて美形。ビビール王子"なんか"よりも鼻筋が通っていて、サラサラな金色な髪、鋭い琥珀色の瞳、長身なのに……モフモフの耳と尻尾が可愛い。 (ギャップ萌え……モフモフ、パラダイスや……)  あまりのイケメンに――ガクッと膝の力が抜けてしまい、四つん這いになってしまった。初めてお会いした彼らの前で、間抜けな格好になってしまうなんて……恥ずかしい。  だけど、向こうはむこうで。  側近の、2人が慌てていた。 「レオン様? こんな所で腰を抜かしてどうしたんすか?」 「レオン様? お怪我はありませんか?」     目の前でイケメンさんが驚きの表情で、尻餅をついていた。その声と音を聞いて、キッチンからボアさん達もやってくる。 「マージアさん、どうしたの?」   「マジーアちゃん?」 「マジーア様」 「どしたの?」  玄関先で四つん這いの私と、玄関の向こうで、尻餅をしたレオン様を交互に見て。 「あらあら、うふふっ、まぁ……そうだったの。これは報告しなくっちゃね」  なにやら意味深な、言い方をした。 「ボアさん?」 「ボア?」 「レオン様、良かったわね。マジーアさんとレオン様、いつまでも変な格好していないで、朝食にしましょう」 「は、はい」 「……わかった」  ❀  キッチンのテーブルを魔法で少し大きくして、レオン様と横並びに座らされた。その前にニコニコ顔のボアさんと嬉しそうなスズ君、トッポ君が座る。テーブルの端には、これまた、ニコニコ顔のキキ、スイ、メラもいる。 (みんな、なんなの?) 「レオン様、これ全部マジーアさんが作ったのよ、さぁ食べましょう」 「あっ、あぁ……いただきます」 「お好きな調味料をハムエッグにかけて、食べてください。私はレモンマヨソースでいただきまーす」  ボアさんはレモンマヨソースが気に入ったみたい。 「わたちはソース」 「私はケチャップ」 「マヨ、ソース!」    私もレモンマヨソースを取ろうとして、同じ様にマヨソースを取ろうとした、レオン様と手が触れた。あっと、照れて、離した手をレオン様はガシッと掴んだ。 「えっ!」 「す、すまない」  そう言いながも彼はしばらく、私の手を握って離さなかった。
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