第二弾ありました…

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第二弾ありました…

 食事を終えて、今日は解散となった。    レオン様達は「また明日、必ず来る」と言い、森の奥に戻り。ボアさんは「もし何かあったら、これを鳴らして呼んでね」と、着ぐるみパジャマ姿で、花柄の模様が入ったガラス製の呼び鈴を置いていった。  みんなが帰る前にあの扉を通れば? と、聞いたのだけど。あの扉は魔女専用で、みんなは魔力の違いとかで使えないらしい。   「またね」と、みんなを見送ったあと……疲労感を感じて、ふうっと息を吐いた。 「なんだか……疲れたかも」  今日、レオン様とボアさんに会えたことは嬉しい。    だけど、ようやく乙女ゲームから離れられたと思ったのに……この場所に、ヒロインのススリさんが現れるなんて思わなかった。それも、私が手にした魔女の本を探していた。  それに、この乙女ゲームに第二部があったなんて。  でも、ススリさんの言う通りなら、彼女があの本を手にしていた。しかし、その本を何故か私が手にして、シシリ様の力を貰い魔女になった。  婚約破棄のあと国外追放されて、そのあとは何事もなく普通に生活するのだと思っていたから。魔女になれたのは……嬉しいのだけど。また、あの人達と関わるのだと思うだけで……疲れる。 「マージア、大丈夫?」 「顔色が悪いです」 「うん、うん」 「大丈夫だよ。今日は色々あって……疲れちゃった、少し寝室で休むね」 「「私たちも」」 「うん、ねる」  キキ、スイ、メラ達と一緒に、夕飯まで寝室で休むことにした。  ❀ 『わたしが魔女⁉︎』  ゲッ……  目覚めた直ぐ、私はベッドの上で頭を抱えた。 (出ていた……あの、乙女ゲームの第二弾)  主人公は第一弾と同じでススリさんだ。だけど、学園が中心の話じゃなくて……彼女が偶然に入った古書店で手にした本から始まる物語。  だけど、第二弾の内容は第一弾とは違い、恋愛ではなくて、ファンタジー要素が多かった。だから……後でプレイしようと積みゲーにしていた。  ――ううっ。  いまさら悔やんでも仕方がないけど、少しでもプレイしておけば良かった。    でも、ヒロインのススリさんもゲームの記憶が曖昧すぎて、元お父様より先に、魔法の本を見つけれなかったわけだし。明日、みんなが来たら対策するだけして、あとは気にしなくていいかな。    彼女は好きな王子と、攻略対象達がそばにいるんだ。    魔法の本がないと分かったら、諦めるかも。
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