67人が本棚に入れています
本棚に追加
限界突破!!
ボアさんはただ、庭から笑顔で外から手を振っている。その姿を見てマッケン様は声を上げて、遂に恐怖で腰を抜かした。そばで見ていたススリさんと、アッサン様は彼に何が起こったのかわからない様子。
「おい、何をそんなに怯えている? しっかりしろマッケン!」
「う、うるさい……君にはあれが見えないから、そ、そ、そんな気とを言えるんだ! こ、この家は呪われているよ!」
「呪われている? 仮にも魔女の家だから、おかしなことも起こると思うわ。魔法の本を探すのに、あなたの魔法が頼りなのに……しっかりしなさい」
ススリさんにキツく言われても、マッケン様は首を横に振った。まあ、いくら魔法ができても、彼はただの貴族の坊ちゃんだ――次元が違う、得体の知れない相手に太刀打ち出来ないのかも。
それが分からない2人に、マッケン様は責められていた。庭で手を振るボアさんが裏の森を見て、手招きをした。そこに森を抜けてやって来たレオン様達が、ボアさんに話を聞いて頷き。同じように家の中にいる私たちに向けて、笑顔で手を振りはじめた。
「うぎゃ――――!!」
雄叫びのような悲鳴をあげるマッケン様。
彼に何が見えているのかはわからないけど。みんなを見て、彼はガタガタ体を揺らし、遂に限界突破したのか気絶した。
「あ、マッケンが泡を吹いて倒れました……」
「だらしないわね、もういいわ帰りましょう」
「かしこまりました」
気絶したマッケン様はアッサン様に抱えられて、馬車に乗せられた。アッサン様に手を借りてススリさんも乗り込み、彼らは帰っていった。
(あれだと、また来るかも。でもススリさん……あなた、王妃教育、王妃様とのお茶会で忙しくないの? それに、王都からここまで来るのに……何時間もかかってると思う)
まあ、帰ったからいいっか。
終始、何が起きた中わからないけど――嫌味男のマッケン様の怯える姿と、気絶をした姿を見てスカッとしちゃった。
ボアさん達が庭から家の玄関に周り、入ってきた。
「ボアさん、おはようございます。……おつかれさまでした」
「こんなに朝早く来るなんてね。おはようマージアさん、キキ、スイ、メラ」
「「おはよう、ボア先生!」」
「おは、先生」
その後にレオン様達も家に入ってきて、従者のスズ君とトッポ君はキッチンのテーブルの上に、ドカッ、ドカッと風呂敷包みの手土産を置いた。
最初のコメントを投稿しよう!