限界突破!!

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限界突破!!

 ボアさんはただ、庭から笑顔で外から手を振っている。その姿を見てマッケン様は声を上げて、遂に恐怖で腰を抜かした。そばで見ていたススリさんと、アッサン様は彼に何が起こったのかわからない様子。 「おい、何をそんなに怯えている? しっかりしろマッケン!」   「う、うるさい……君にはあれが見えないから、そ、そ、そんな気とを言えるんだ! こ、この家は呪われているよ!」   「呪われている? 仮にも魔女の家だから、おかしなことも起こると思うわ。魔法の本を探すのに、あなたの魔法が頼りなのに……しっかりしなさい」  ススリさんにキツく言われても、マッケン様は首を横に振った。まあ、いくら魔法ができても、彼はただの貴族の坊ちゃんだ――次元が違う、得体の知れない相手に太刀打ち出来ないのかも。  それが分からない2人に、マッケン様は責められていた。庭で手を振るボアさんが裏の森を見て、手招きをした。そこに森を抜けてやって来たレオン様達が、ボアさんに話を聞いて頷き。同じように家の中にいる私たちに向けて、笑顔で手を振りはじめた。 「うぎゃ――――!!」  雄叫びのような悲鳴をあげるマッケン様。  彼に何が見えているのかはわからないけど。みんなを見て、彼はガタガタ体を揺らし、遂に限界突破したのか気絶した。 「あ、マッケンが泡を吹いて倒れました……」 「だらしないわね、もういいわ帰りましょう」   「かしこまりました」  気絶したマッケン様はアッサン様に抱えられて、馬車に乗せられた。アッサン様に手を借りてススリさんも乗り込み、彼らは帰っていった。 (あれだと、また来るかも。でもススリさん……あなた、王妃教育、王妃様とのお茶会で忙しくないの? それに、王都からここまで来るのに……何時間もかかってると思う)  まあ、帰ったからいいっか。  終始、何が起きた中わからないけど――嫌味男のマッケン様の怯える姿と、気絶をした姿を見てスカッとしちゃった。  ボアさん達が庭から家の玄関に周り、入ってきた。 「ボアさん、おはようございます。……おつかれさまでした」 「こんなに朝早く来るなんてね。おはようマージアさん、キキ、スイ、メラ」 「「おはよう、ボア先生!」」 「おは、先生」  その後にレオン様達も家に入ってきて、従者のスズ君とトッポ君はキッチンのテーブルの上に、ドカッ、ドカッと風呂敷包みの手土産を置いた。
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