3人の女の子

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3人の女の子

 パラパラとめくれる本は、あるページで止まる。そこには白黒で劇画タッチの、3人の女の子の絵が描かれていた。  今話しかけてきたのは、この子達?  再び本が光を放つと。私の目の前に透明な四枚の羽が生え、ふわふわしたワンピースを着た、手のひらサイズの女の子達が飛んでいた。  可愛い、この子達は妖精かな?  それとも精霊?  良く観察すると。3人とも真っ白なワンピースと花を髪に着けて、お揃いのツインテールの髪型で髪の色が異なっていた。  1人目は瞳がパッチリ、活発そうな緑髪と緑の羽。  2人目はキリリとした瞳、清楚な青髪と青い羽。  3人目は少しポッチャリ、のんびりやな見た目の赤髪と赤い羽。  この本に描かれていた、女の子?  その中の緑色の髪の女の子がふわふわ、私のところに飛んできてペコっとお辞儀した。 「こんにちは。この家の鍵を開け時を戻した、あなたは新しい魔女様ですか?」  と、大きな瞳を輝かせた。   「は、はい。数ヶ月前に一応かな? 魔女になったマージアと言います。よろしくお願いします」  そう伝えると、彼女たちは「やった!」と喜び。 「「わぁ、大魔女様が話していた通り……新しい、ご主人様が来てくれた!!」」 「きた」  彼女たちは大喜びで、クルクル私の周りを飛び回り、花が咲いたように笑った。 「マージアちゃん、よろしく!」 「マージア様、よろしくお願いします」 「マージア、任せた」  ほぉ……この子達は一人、一人性格が違うみたい。    ❀  次に彼女達は「私達に名前を付けて」と、飛び周る。 「名前? 私があなた達に名前を付けていいの?」     そう聞き返した私に頷き。  青い髪の女の子が教えてくれた。 「前のご主人様でした緑の大魔女、シシリ様がここを去る前『新しくきた魔女に新しく名前を付けてもらい』『魔女と仲良くしなさい』と言ってくださいました」  緑の大魔女シシリ様――私に力を授けた魔女。 「ズッと待ってた。わたち、マージアちゃんと仲良くしたい」   「私、マージア様と仲良くしたいです」  「マージア、仲良く! 仲良く!」   私も、この子達と仲良くしたい。 「今、名前を考えるから待っていてね」   「「はい!」」 「うん」    しばらく考えて。 「決めたわ! 緑髪のあなたはキキ。青髪のあなたはスイ。赤髪のあなたはメラ――なんてどう?」  彼女達は名前をもらい、フルフル体を揺らして。 「風の精霊、キキ! よろしく!」 「水の精霊、スイ! よろしくお願いします」 「火の精霊、メラ! お腹空いた」  私が付けた、名前を気に入ってくれたみたい。  そして、タイトルがない革張りの本に『新米魔女マージアと愉快な仲間キキ、スイ、メラの本』と、タイトルが付いていた。
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