魔女を辞めた理由

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魔女を辞めた理由

 キキ達の先生、エルフのボアさん。  彼女は私の髪型、ポニーテールに興味を持ったらしく。 「マージアさんの髪型、すごく可愛い。ポニーテール……馬の尻尾ね」   「そうです。キキに、この髪型にしてもらったんです。垂れた髪をクルクルっと、上げればお団子ヘアにもなります」 「へぇ、お団子も可愛い。でも、今日はポニーテールにして貰おうかな?」  ボアさんはニッコリ微笑んで、キキにお願いして、自分の髪型をポニーテールにしてもらい。出来上がったポニーテールを見て、可愛い、可愛いと。どこから出したのか、手鏡を見て絶賛していた。    そんなボアさんに焼きたてのパンケーキが、冷める前に食べようと、みんなで作ったパンケーキをすすめる。 「まあ! これが人の世界で食べられている……パンケーキ? 初めて見たわ」  エルフのボアさんはキキ達と同じで、初めてパンケーキを見たのか、瞳をキラキラ輝かせた。その横で3人で分けながら、私と同じ大きさの3段パンケーキを、モリモリ食べるキキ、スイ、メラ。 「マージアちゃん、パンケーキとリンゴ煮が最高!」 「ほんと、美味しいです」 「うま、うま」  彼女達の豪快な食べっぷりに、そのパンケーキは残らないと推測したので――ボアさんと仲良く半分こにした。  食べ出してから……何か忘れていると思ったら、飲み物がなかった。      ❀    リンゴ煮を乗せた3枚乗せパンケーキを、ペロリと食べ終え。私達はラベンダーが咲く庭にテーブルを出して、お茶会をはじめた。先ほどは忘れていた紅茶を入れて、屋敷から持ってきたお気に入りのクッキーを、アイテムボックスから取り出した。 「「クッキーだ!」」 「たべる」  ……食いしん坊、キキ、スイ、メラはクッキーに食いついた。  3人の食べっぷりに驚くしかないけと、美味しそうにパクつく彼女達にホッコリして、ボアさんに色々聞いてみることにした。    それは、ボアさんは魔女さんの事を詳しく、知っていると思ったから。 「あの、いろいろ魔女さんについて聞きたいのですが。ボアさんのお時間はいいですか?」  その私の問いに「えぇ」と、頷くボアさん。 「今日はそのつもりで、お泊まりセットを持ってきちゃいました」  と、彼女は緑色の巾着袋に入った、お泊まりセットを取り出した。  ラベンダーが香る庭先で、紅茶とクッキーを楽しみ、私はボアさんと話していた。 「魔女さんはどうして、魔女を辞めたのですか?」  私が前世で読んだ本、見てきたアニメで私が思う魔女さんって……魔力で見た目は若く、何千年も生きるような気がしたから。  ボアさんは紅茶を一口飲み。 「彼女はね……歳で、魔女を引退したの。自分の残りの寿命も、わかっていたんじゃないかしら……」 「寿命? ……そうですが……その、話しにくいことを聞いてしまいました、すみません」  ボアさんは「平気よ」と首を振る。 「いいのよ。どうせ、マージアちゃんもいつか知る話ね」   「……ボアさん」  彼女は懐かしそうに、魔女の家を見上げた。 「シシリと出会い、長い月日を共に過ごしてきたわ。彼女の寿命が……あと500年くらいかしら? 余生をまったり、好きな場所で過ごしたいと思っても、仕方がないことだわ」  と、とんでも発言をした。
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