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また会えたね
俺は、現役男子中学生。名前は西原雅人(にしはらまさと)。
成績は真ん中くらい(本当にど真ん中の順位をテストで取ったこともある)で、これといった趣味もなく、ゲームをするくらい。
友達もまちまちで、彼女はいない(リア充爆発しろ)。
当然のごとく帰宅部。
そんなありふれた現役男子中学生の俺は、ある日、衝撃の一日を送ることになった。
本来なら何の変哲もない日のはずなのに、その日に限って、起きる時間がいつもより遅かった。
遅いと言っても、「ヤバい遅刻する!!」レベルではなく、ちょっと急いだら普通に間に合うくらいだった。
なので、朝ごはんを少々急ぎ目に済ませて、家を出た。
家を出て、いつもよりやや速歩きで歩いていると、目の前に少女がいた。
「また会えたね」
唐突に少女はそう言ってきた。
「え?」
俺は思わず声に出してしまった。
なぜなら、その少女を俺は全く知らなかったからだ。
しかも、少女は一言だけでその場を後にしたのだ。
俺は、驚きすぎて何も出来なかった。
その後は、普通に一日が過ぎていった。
だが、放課後、また少女が現れた。そして、
「またよろしくね」
と言ってきた。
「待て!」
今度はちゃんと引き止めることが出来た。
「お前は何者だ?そして、お前は朝から何を言っているんだ?」
俺の問いに対して少女は
「もう!意地悪言わないでよ!私に名前がないことぐらい分かってるでしょ?
ミヤビくん!」
え?もしかして、誰かと勘違いしているんじゃないか?
「俺はミヤビじゃない。俺は西原雅人だ。」
「あ、そっか。ミヤビくんは全部知らない設定になってるんだね」
はあ?ふざけているのか?
「知らないなら教えてあげるよ。ミヤビくん、君はね…」
ゲームの中で世界を救うキャラクターの一人だよ。
君は、ゲームの中で、何度も何度も操作されて世界を救ってきたんだよ。
その瞬間、意識が遠のいていった…………
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