歩む

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目が覚めた。 そこは真っ白な世界だった。 おや、ここはどこだろねぇ。 振り替えるとそこには小さな家があった。 まるでログハウスのような…… ふと、呼ばれているような気がして、 その家のチャイムを鳴らしてみる。 するとすぐにドアが開いたので驚いた。 「希美(きみ)ちゃん!おかえりなさい!」 そこには両親が住んでいた。 家の中はあの頃のままだった。 「もー、帰ってくるの遅かったじゃない!  智子(ともこ)ちゃんちは満喫できたかしら?」 智子ちゃんとは、小学校の頃の智子ちゃんだろうか? それならきっと、あの時のことか。 「えぇ、楽しかったわ!」 「そう、それならよかったのよ」 「でも、早く帰ってきなさいよ!」 「はーい」 少女の頃に戻ったようで楽しい。 久しぶりの母のご飯はとても美味しかった。 私の娘(あの子)にはこの味が出せたかしら? 「さあ、良い子はもう寝る時間だぞ~」 おや、今日の父は一段と機嫌が良い、絵本読んでくれるのかしら。 楽しみだな。 でも…今のうちに伝えとかないと! 「あのね、えっとね、、」 「どうしたんだい?希美?」 「そのね、おとうさん、おかあさん、今までありがとう。私はねすっっごく楽しかったです!それでね、あの…ね、」 どうしよう、言葉が出てこない、、、 「こちらこそありがとう、  希美がいてとても幸せだったよ」 まるで全て知っているような目だった。 違う、『ような』じゃない。 分かっていたんだ、全てを。 あれ、何だか眠気が… 「あらあら、希美ちゃんたら、こんなところで寝ちゃって!」 あぁ、本当に、、、 「ありが…とう…」
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