歩む

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そこには初恋の相手である正幸(まさゆき)がいた。 「あら。もっと早く来てくださっても良かったのに。」 「俺が、待ってたんだよ。」 すこしぼやけたと思うと私と同じくらいの年の姿に、 に姿が変わる。 「あら、そうですか。  お待たせしてすみませんでしたねぇ」 「いい、いつまでも待っているんだから、  もっと遅く来れば良かったのに」 「いえいえ、ちょうど良かったんですよ、あそこで」 「そうか、なら良いっ」 あらあら、ぶっきらぼうになっちゃって。
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