赤い糸

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あれから十五年後。 「ほら、もう泣かないの。」 娘の幼なじみである慶太君が、御両親の仕事の都合で、今日、海外へと引っ越してしまった。 「だって、だって、もう会えない….…」 9歳になった娘は、幼稚園の頃から慶太君の事が好きだった。 「……大丈夫。」 私は、娘の小さな左手の小指を見ながら言った。 「また会えるわ。」 (かれ)と私が何度も巡り合ったように。 《完》
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