3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「俺と友達になってくれませんか? 」
私が絶望的な事を考えていると、彼がそう言った。
「……えっ!? 」
「俺、君は人を見た目で判断する、ろくでもない
子だと思ってた。」
「……で、ですよねぇ……」
それが原因で一度、振られてるもの。
「でも、そうじゃなかった。俺の気持ちに寄り添ってくれて……君は良い人だ。」
「そ、そんなこと……」
初めて言われたかもしれない。
「まずは、君の事を色々知っていきたい。それじゃあ、ダメなのかな? 」
「……!!全然!私も、あなたの事知りたいって思う!!」
あっ、食い気味に答えちゃった。
『お友達になりましょう』って、ただ言ってるだけなのに、これじゃあ意識してるのモロバレじゃん。
「俺、築山 要 って言います。よろしく。」
だけど彼は言及せず、クスリと微笑んで名乗った。
あっ、そっか名前……。
私達、名前も知らなかったんだ。
「時田 恭子です。」
出会って、長い年月をかけて、ここからやっと私達の関係は始まっていった。
最初のコメントを投稿しよう!