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そう尋ねると、シリウスはにやりと不敵な笑みをこぼした。繋がったまま、こんどはスピカの背中を地面に押しつけ、覆い被さる体勢になる。
「きれいな羽が落ちたのは残念だが、せっかくだからこの向きでもしてみないか」
「えっ!? もう一回やるつもりかよ!? さっきまで死にかけてたくせに何でそんなに体力あんだよ!」
じたばたと逃げ出そうとするが、両腕を押さえられて逃げられない。
「初めての割には、随分気持ちよさそうだったじゃないか」
耳元でからかわれて、かあっと熱が上がった。
「さっきの可愛いおねだりをもう一度聞かせてくれないか」
「バ、バカ! あれは、そのっ、無意識、と、言うか……!」
恥ずかしさに顔を背けると、耳たぶを甘噛みされた。
「ひゃっ……もうっ! バカ!」
「お前にバカと言われると、たまらなく興奮する」
(もう、相変わらずバカでスケベでどうしようもない!)
それでも、繋がれたことが嬉しい。求められることが嬉しい。その体温を肌に感じられることが嬉しい。
熱っぽく自分を見つめる男の頭を引き寄せ、唇にキスをした。
「じゃあ……あと一回だけ」
妥協してそう言うと、シリウスは不敵に笑った。
「夜明けまでにはまだまだ時間がある」
「は、はぁっ!? もう…………バカじゃねぇのっ!」
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