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「それホントなの?」
翌日、くるみがいない生徒会室では、朝陽が昨日の出来事についての報告を行なっていた。話を聞いた遊は、朝陽が「はい」と返事を返すと「へー」と興味深そうに笑う。
「閉じ込められたのが事実なら、そこからどうやって抜け出したのか気になるなぁ」
「スペアキーを持っていたとか?」
彼方の回答に朝陽は「スペアキーも彼女たちが所持してたようだから使えないはずだ」と返す。
「じゃあ、鍵を壊したとか?」
「俺が確認したけど、鍵穴にこじ開けられたような跡はありませんでしたよ」
「う〜ん」と首を傾げる彼方。遊はいちご牛乳を飲みながら、椅子をくるくると回転させた。しばらく沈黙が続く中、壁に寄りかかって思案していた理人がふと顔を上げ、「例えば」と発言した。他のメンバーが理人の方を向くと、彼はにこやかに笑う。
「実は、間宮さんは人ならざる者だとか?」
おどけながら、そう言った理人だったが、その言葉に室内がしんと静まり返った。
「笑えない冗談はよせ」
令の苛立ちを含んだ反応に、理人は「だって、でなきゃ鍵がかかった倉庫から抜け出るなんて不可能じゃないか」と笑った。
「でも、仮に閉じ込められたのが事実として、それを朝陽には『違う』って言ったことも気にならない?」
「俺たちの手を煩わせたくないとか?ファンクラブからの嫌がらせについても、何も言ってこないし……。案外、健気ですね。間宮先輩」
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