波乱の幕開け

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私立帝華学園は、知性と品性、財力を兼ね備えた子どもたちが通う国内随一の金持ち学校である。 イギリスの有名建築家がデザインしたという校舎は、国の歴史的建造物にも指定されている代物。 各所冷暖房完備は当たり前の快適な空間には、一流シェフ常駐のカフェテリアのほか、ライブラリーラウンジやファッション雑貨店、ステーショナリーショップ、美容サロンなどの専門店が入った商業施設まである。 校舎の外には、各部活動専門のグラウンドや競技練習施設が設けられており、勉学だけでなくスポーツや芸術にも思う存分打ち込める環境も万全と、至れり尽くせり。保護者やOBからの寄付も多く、かなり豪華な設備が整っている学校なのだ。 そんな帝華学園へくるみが転入してから、早いもので三日。 今日は朝から、どこかみんなソワソワとしていて落ち着かない様子で、校内が色めきたっていた。その理由は、一限目に行われる全校集会にある。 「今日は帝華会のみなさんが登壇される全校集会の日よ」 「全員が一堂に会するところは、なかなか見られないから貴重よね。いまから楽しみだわ」 そんな声があちこちから聞こえてくる。 集会が行われる校内の西にある講堂へと向かうと、ずらりとイスが並んだホールの舞台上には五席のイス。席に着いた生徒たちは、みな一様に舞台へと視線を集中させていた。
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