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令の脅しに屈したくるみは、ベッドの上に正座をさせられ、この学園に編入するまでの経緯を洗いざらい吐いた。
「ホォー、そうするとお前は、その馬鹿げたゲームの影響でここまで来たと?」
「ちょっと、馬鹿げたゲームとは何ですか!!イケメン騎士は、ときめきあり感動ありの超傑作ゲームなんですか──……アタタタタ!!!」
「ゲーム内容は聞いていない」
大好きなゲームを侮辱されたと思ったくるみは、令相手にその素晴らしさを熱弁しようとしたのだが、見事にまた頭をわしづかみにされ遮られた。
そこに、初めて彼女が生徒会室に訪問したときの可憐さはなく、その様子をほかの4人はさまざまな面持ちで眺めている。
「すごい行動力だな」
「そんなに面白いのかな、このゲーム」
「お姫様を守る騎士たちとの恋愛物語って、王道といえば王道だからね」
「そうなんですか……」
遊、彼方、理人、朝陽は口々にそう言いながら、令と攻防を続けているくるみのことを見つめていた。
当の本人は「バレてしまったら仕方ない」と思っているのか、すっかり開き直った態度で自分の正当性についてを説いている。
「別に生徒会に入る理由なんて、なんだっていいじゃないですか!ちゃんと仕事はしてます‼︎」
「結局、男目当ての生徒会入りなら他の奴らと一緒だろ。今後、同じようなトラブルが起きるようでは困る」
「それは彼女たちが悪いんですよ‼️毎回リアルタイムで視聴していたアニメのために、いつも仕事を猛スピードで終わらせて帰っていたのに……彼女たちはその私の努力を踏みにじったんですから‼️」
あくまでも本人は熱っぽく語っているのだが、あの一条静花を震え上がらせていた理由はアニメだったのか……。
「あれ?早く帰るのって、お茶や茶道の習い事があるからじゃなかったっけ?」と首を傾げる遊に対して、理人は「それで、いつも帰りが早かったのか」と納得した様子でクスクスと笑っていた。
「お前の処遇についてだが──」
令の言葉にギクリとしたくるみは慌てて側に詰め寄った。
「雑用でも何でもしますから、クビだけはご勘弁を‼️今回の編入は、お母様に無理言ってお願いしたんです!問題を起こしたことがバレたら大変なことに……!」と訴えた。
しかし、令の口から返ってきたのは非情な言葉だった。
「問答無用。……間宮くるみ、今日付けで帝華学園生徒会執行部副会長の任を解く」
冷たい声色で告げられた令の言葉。賑やかだった室内はしんと静まり返った。
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