波乱の幕開け

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「転校早々、帝華会の皆さんが揃っているところを見られるなんて間宮さんもラッキーね」 隣の席に着いた同じクラスの女子生徒に声をかけられたくるみは、「帝華会、ですか?」と、首を傾げた。 「そうよ!帝華会の皆さんは、いわば我が校の誇りともいうべき存在!学園中の生徒たちの憧れの的なんですよ」 「あら、それは知りませんでした。どんな方たちなのか、私も、お会いするのが楽しみです」 くるみがそう返すと、女子生徒は慌てて小声で「でも、抜け駆けは禁物ですからね」と続ける。 「この学園には、帝華会のファンクラブが存在しますから」 「ファンクラブのルールを破った会員は追放処分になるって噂ですよ」 そんな女子生徒たちの不穏な言葉にも、くるみはにこやかな笑みを崩さぬまま「へえ、そうなんですか」と意味深に返した。 「あ、ほら来ましたわ!」 ほどなくして舞台上に現れた生徒会メンバーに、周囲の空気がとたんに色めきたつ。椅子の前に立った四人の男子生徒が着席すると、示し合わせたかのように辺りが静まり返る。そして、司会用のマイクスタンドの前にも男子生徒が一人。 「これより全校集会を始めます」 司会の男子生徒の合図とともに、会が始まりを告げた。くるみに話しかけていた女子生徒も、すでに視線は舞台上に釘付け。そして、それは彼らを初めて見るくるみも同様だった。
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