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チェリーが炎を宿したツインナイフの柄を合わせてカチリと捻ると、チェーンで繋がれたツインナイフが完成した。それはチェリーが舞うように操る中、紅い線を描きながらアンデッドの数を削っていった。
「こっのーー!」
胴体に巻きつけたチェーンを、チェリーが逆回転に放った。遠心力で勢いを増したツインナイフが、残りのアンデッドを次々と粉砕した。
「やったわね」
戦闘を終えて一息ついたチェリーに、私は万能薬を手渡した。それで体力とスキルのパラメターは回復する。
「いよいよですね先輩!」
「そうね。まあ一回目でクリアは無理だろうけど。私も手を貸すから、あなたが指示をだして」
強い眼差しで私を見たチェリーが、口元に力を込めて頷いた。
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最後の玄室は、入って来たドアが消えると大きな鉄の箱のようだった。その中央には天井まで届きそうな石像が鎮座し、それを守るように数体のアンデッドがたたずんでいた。
「一歩出たら戦闘開始よ。どうする?」
「ビームシールドを持っている前衛の骸骨戦士二体は完全に壁役ですよね。突破に時間を取られたら、左奥に居る狙撃手の遠距離攻撃を喰らい続ける。右奥にいるのは回復役? 援護付きのタンクは厄介だけど……」
「どうしたの?」
「簡単すぎませんか? ラストバトルとは思えない」
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