新人研修はラビリンスで ★第187回妄想コンテスト「道」優秀作品

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「回る順番とか、ないんですか?」 「ラビリンス攻略以外の条件はないわ。何をやっても、やらなくても、自由」 「そうなんですね。だったらー。ラビリンス行ってみたいです」 「大胆ね」 「相手を知らずに落とすことはできませんから」 「恋愛みたいに言うわね。でも戦いには違いないか」  ウインクして私が歩き始めると、小川さんが跳ねて胸を揺らした。 「先輩。この装備取れたりしませんよね」 「半裸みたいな装備選んでおいて気になるんだ」 「持ち慣れてないもので」  小川さんは自分の胸を持ち上げた。 **********  チェリーは土煙を上げて、天を仰ぎ地面に倒れ込んだ。 「あーもー死ぬかと思ったー」 「死んだんだけどね」  私とチェリーは、ラビリンス入り口にあるセーブポイントに飛ばされた。そう。初見(しょけん)の敵にフルボッコにされゲームオーバーとなったのだ。 「無謀過ぎたかもだけど、さっきのはチュートリアルをちゃんとやっていれば凌げたかもね」 「えー。ちゃんとやりましたよー」 「機械的に。でしょ」  手を差し伸べてチェリーを立たせると、私はラビリンスの奥へ目を向けた。 「次はどうする?」 「うーん。やっぱりレベルを上げて装備を強くしないとですよね。選択が自由でも結局は進め方なんておんなじ」 「そう思う?」 「違いますか?」 「ダイバープラネットは五感操作(フルダイブ)のハードよ。それはね。キャラのレベルよりもプレイヤーのレベルが大事ってことなの」 「プレイヤーのレベル? ですか?」
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