22人が本棚に入れています
本棚に追加
「回る順番とか、ないんですか?」
「ラビリンス攻略以外の条件はないわ。何をやっても、やらなくても、自由」
「そうなんですね。だったらー。ラビリンス行ってみたいです」
「大胆ね」
「相手を知らずに落とすことはできませんから」
「恋愛みたいに言うわね。でも戦いには違いないか」
ウインクして私が歩き始めると、小川さんが跳ねて胸を揺らした。
「先輩。この装備取れたりしませんよね」
「半裸みたいな装備選んでおいて気になるんだ」
「持ち慣れてないもので」
小川さんは自分の胸を持ち上げた。
**********
チェリーは土煙を上げて、天を仰ぎ地面に倒れ込んだ。
「あーもー死ぬかと思ったー」
「死んだんだけどね」
私とチェリーは、ラビリンス入り口にあるセーブポイントに飛ばされた。そう。初見の敵にフルボッコにされゲームオーバーとなったのだ。
「無謀過ぎたかもだけど、さっきのはチュートリアルをちゃんとやっていれば凌げたかもね」
「えー。ちゃんとやりましたよー」
「機械的に。でしょ」
手を差し伸べてチェリーを立たせると、私はラビリンスの奥へ目を向けた。
「次はどうする?」
「うーん。やっぱりレベルを上げて装備を強くしないとですよね。選択が自由でも結局は進め方なんておんなじ」
「そう思う?」
「違いますか?」
「ダイバープラネットは五感操作のハードよ。それはね。キャラのレベルよりもプレイヤーのレベルが大事ってことなの」
「プレイヤーのレベル? ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!