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「まあ、まずは実践あるのみ。装備を見直しましょうか」
町に向かうとチェリーの見た目の好みで、防具屋でブレストギアとウエストギアを、武器屋ではツインナイフに買い替えた。それでも初期装備に比べれたら攻撃力も防御力も十分だ。
「かっこいいー」
「これで戦闘は少し楽になるはずよ。酒場で依頼をひとつやったら今日は終わりにしましょ」
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「くっ」
残りのオーク一体を前にチェリーが片膝をついた。後方から見ていた私は、チェリーの心が折れかけてるなと思った。なんとか攻撃を受け止めて反撃してこれたものの、それは装備に救われているだけでダメージの蓄積でしかない。手を貸そうと前に出た時、チェリーが地面を蹴った。
オークがモーニングスターを振り上げると、チェリーは前転して飛び込んだ。振り下ろされたモーニングスターがチェリーがいた場所にめり込んだ。急に間合を詰められたオークの反応が遅れ、その胸とノドをチェリーのツインナイフが突き上げた。
オークが消えると、そこに宝箱が現れた。
「開けていいわよ」
スキルで罠がないか確認した私はチェリーに開けさせた。宝箱が開くと『ブラックオニキスを手に入れた』と文字が表示された。
「やった!」
「やったわね。それを届けたらミッションクリアよ。帰りは私に任せて」
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