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しばらく考えたチェリーは頭を振った。
「罠なら罠で打開するのみ! 先輩はタンクを惹き付けてください。私はヒーラーを速攻で倒してから、シューター潰して戻ります」
「おっけー。いつでも、いいわよ」
「お願いします!」
チェリーが体勢を低くした。私は一歩踏み出すと、ライディンソードの抜刀音を響かせた。視線を向けたアンデッドたちにライディンソードを構えると、その刀身に稲妻が爆ぜた。
私がタンクに向かって駆けだすと、その後ろにチェリーが続いた。通常の攻撃ではビームシールドのカウンターによるダメージを喰らってしまうが、電撃系のライディンソードならその影響は受けない。構えられたビームシールドにライディンソードを叩き込むと、衝撃で飛ばないようタンクが踏ん張った。その隙を突いて私の後ろから飛び出したチェリーが、低い体勢で一気にヒーラーと距離を詰めた。
タンクを惹き付けながらシューターに目をやると、ヒーラーの援護でチェリーを攻撃していた。防御魔法で応戦するヒーラーとシューターの攻撃に、チェリーは苦戦してしまっていた。
「チェリー! 悪魔像に亀裂が! ボスキャラが出てきたら終りよ!」
「あと少しでクロスいけます」
必要なスキルゲージが溜まると放てる必殺技は、組み合わせによって特殊なクロス技となる。ボス戦まで温存しておきたいところだが、今は邪魔者を消し去るのが先決だ。
「先輩いきます!」
緑のオーラに包まれたチェリーが、ツインナイフを一本の双剣にして頭上で回転させた。たちまち玄室の中に暴風がおきる。黄色いオーラに包まれた私は一歩飛び退くと、オーディンソードを掲げた。
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