公演を控えた俺が大正時代に転生して溺愛されました。

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ガサゴソと取り出したのはウクレレ。 事故に遭った時、新曲のためにと買ったウクレレを大事そうに持って転生したらしい。 父にそんなものは捨てろと言われたキヨがウクレレを部屋の端に隠して置いてくれてた。 ここに来る前に大事なものではと渡してくれのだ。 新曲のために安いウクレレで練習してたからある程度は弾ける。 思い出しながら歌に合わせてウクレレを弾く。 五月晴れの穏やかな日にその歌はピッタリだった。 風がそよいで花が揺れる。 何か幸せな気持ちになってくる。 現代の便利さも良かったけど、この時代のゆったりとした空間も心が穏やかになる。 気のせいか花達も喜んでるようだ。 この曲もみんなに聞いてもらいたかったな。 突然ドアが開いて端正だが、怖そうな顔の四季が立っていた。 「なんだ、それは?」
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