公演を控えた俺が大正時代に転生して溺愛されました。

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怒られると思った俺は 「うるさくして申し訳ございません。すぐやめます」 「いや、それは楽器か?綺麗な音と歌声が聞こえたから気になって。驚かせて悪かった」 「すみません」と頭を下げる俺に 「もう少し聴かせてくれないか」 「えっ」と驚くと同時に四季の顔が真っ赤に染まっていく。 「このような素晴らしい歌を聴いたことがない。目の前で歌ってもらえないだろうか」 こんな綺麗な人の前で歌うのは流石に緊張するけど四季のリクエストを断るわけにもいかないし。俺は四季の顔を見ずに歌い始めた。 歌うのはやっぱり気持ちいい。 元男の作る歌詞は男目線だから不自然極まりないとは思いながら歌い続ける。 二曲目を歌い始めた時に、四季が突然泣き崩れた。驚きながらも歌い続けていたら四季が俺を抱きしめてきた。 「お前は女なのにどうしてこのような詩を書けるのか」 抱きしめられた俺はウクレレが弾けず戸惑いしかない。 どうしてこんな詩が書けるのか?それは俺が男だからだー!と言いたくなるのを必死で抑えた。
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