友達が死んだ

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友達が死んだ

 とある朝、珍しく友達から連絡が来た。  いつもSNSでリア充な写真を載せる真由美からである。彼女は奈々子と同じく独身の歯科医だが、浮いた話もなく、だが独り身をいいことに自由にカフェやテーマパーク、習い事の写真を載せる。  その時に反応してやるとハートマークで返ってくる、それくらいの交流だったのに今回は違う。 『奈々子が死んだ』  その文字で朝イチ頭がバグった。まだ目が覚めてないのかな、自分は目をこすった。漢字は間違えてる。  でも、現実だった。  私は慌てて電話した。電話するだなんて滅多にないのに。  すぐに真由美は出た。 『もしもし……』  いつも明るい声の彼女だがかなり暗い声。 「もしもし、おはよう……」 『おはよう……』 「どう言うこと? 奈々子が……」 『奈々子が、奈々子がっ』  混乱してるようだ。にしてもなんで彼女はこんなに泣くのだ。奈々子のことをいじりの対象にして、卒業後も彼女とたまに会っては周りの友達にその内容を言いふらしたり、奈々子がSNSをやめようと思うと告げると 『やめないでよー』  と促して続けさせたが私はわかっていた。彼女の私生活をネタにしたいだけである。  そんなことをされても奈々子は怒りもせず真由美と仲良くしていたのは不思議だ。  電話先の真由美が全く声を発しなくなり嗚咽を続ける。私は電話を切るとメールが1通入ってた。 『奈々子が亡くなったとお母様から連絡が来ました』  時間を見ると真由美のメールのかなり前のようだった。これは奈々子と同じ地域に住む美樹からだった。このメールを見て真由美が私にメールをくれたのか。  やはり、奈々子が死んだのは事実だった。
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