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沈黙
数日が経っても彼は現れなかった…
連絡もなかった…
今頃は
噂の彼女と過ごしているのかな…
彼は…大人だ…
私の前では子供のように笑い転げてるけど
成熟した
大人なんだ…
私がどうしても成れない大人なんだ…
そう言い聞かせた…
それからの私は
彼の毎日のように聞こえてくる熱愛騒動にも慣れた…
同じような話ばかり…
ただ…
胸に何かつかえたような
心に沈んだ思い鉛のようなものは消えなかった
この
心が痛みは何なのか…
わからないまま
ただ…一日…一日を
出口の見えない空虚の中に身を置いて過ごした
こんな生活が、ずっと続くような気がした
「遊生夢死」とは
私を表した言葉ではないかとさえ思った
海の底に沈んだようだ…
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