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会場はロサンゼルスでも指折りの老舗ホテル
きらびやかに着飾ったセレブが渇いた笑顔で挨拶を交わしている
(帰りたい…)
心のなかで呟く
“お義父様?”鈴の音のような声に呼び止められる
そう…明子様だ…
“まぁ❗美兎さん綺麗よ❗
いつもそうしてらしたら良いのに”
…“ハハ…”渇いた作り笑顔で応える
今宵の明子様は
深い緑にキラキラとラメが光る
体の線を美しく魅せるタイトなイブニングドレス
決して目立ちすぎず
それでも
エキゾチックな存在感は誰もがふりかえる程だ
(さすがです…)
私は心の中で呟く
“馬子にも衣装だなぁ”
明子様の後ろに立っていたタキシードの兄が言う
(うるさいぞ)
心のなかで呟いて兄を睨んだ
“美兎に毎日化粧だって?
明子…それは天地がひっくり返っても無理だよ
何せこいつは自然児だから”
ククっと兄が笑いをこらえなから明子様に言う
“それは正解”
きっと馬鹿にしてるんだろうけど
否定するつもりもなく素直に言葉が出た
直後、父と明子様が大きなため息をついた
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